SniPo

もと京大スナイプリーダーが技術・チーム作りを発信

コースの引き方⑦タックのいろいろ

今回はタックのいろいろということで、いろんな種類のタックを見てみます。

 

舵とかにも特集されてたようなきがしますし、いまさら感が否めないので、どちらかというと初歩的な内容になります。

 

レース中にはいろんなタックがありますが、ブランケから逃げたり、レイラインにのせるようなタックを除き、自分から相手へ仕掛けるタックを中心に見てみます。

 

 

1.タイトカバー

相手のブランケでのタック。

 

メリット:

相手を逆サイドに飛ばせる(またはダブルタックに追い込める)

行きたい方向へ行かせないことができる

レイラインでは相手を失速させれる

 

デメリット:

逆サイドに相手を野放しにしてしまう

次の風に自信がないとリスクが高い

 

というような特徴があります。

 

これを考えて、このタックが使えるのは、

 

・明らかに良いサイドがわかっていて、相手を逆海面に追い込みたいとき

・相手をイラつかせたいとき(定期戦とかでよくやってるイメージ)

・レイに乗っている船に対して

 

とかでしょうか。

 

上でも書きましたが、相手は逆海面に逃げるので、有利だと思っていた海面が外れたときに、抑えることができないというリスクがあります。

 

自信があるときに使うと良いでしょう。

 

2.ルーズカバー

風向に対して、相手の真上でタック。

 

これは、その名の通り、ゆるいカバーです。

 

メリット:

・風がどちらに振っても相手に伸びられない

 

デメリット:

・大きなゲインはできないので、艇速がないと追いつかれる

 

良くも悪くも無難です。

 

艇速があれば、いったん前に出てしまえば、艇団をルーズに抑えれば、大崩れはしないでしょう。

 

また、次の風に自信がないときに、勝ちたい相手に対してルーズカバーをすれば、無難です。

 

 

3.リーバウ

相手のリーバウでタック。

 

メリット:

・相手をタックさせれる可能性がある(またはダブルタック)

・相手がタックしなくても次のヘダーに強い

・相手を逆海面に飛ばしたいけど、タイトカバーはできないくらいのポテンシャルで飛ばせる可能性がある

 

デメリット:

・相手がタックしなかった場合、相手の前に出るまでタックできない(好きなタイミングでタックできない)

・タックをミスるリスクがある(どれくらいの距離でタックするかにもよる)

 

同じくらいのポテンシャルの相手を、逆海面に飛ばしたいときや、いじわるしたい時に使えます。

 

結構便利なんですが、インカレとかだと、みんなピリピリしてるので、ポートからスターボへのタックなんかは言いがかりをつけて、プロテストされる可能性も十分あります。

 

どれくらい責めてタックするかによるけど、何かがかかったレースでは責めすぎないようするのが大事です。

 

また、タックを普通にミスる可能性もあって、ミスった場合は一瞬で相手のブランケに入るので、練習が必要です。

 

相手がタックせず、しかも自艇がなかなか前に出れなかった場合、自分の好きなタイミングでタックできず、選択肢が減るというリスクがあることを覚えておくと良いかもしれません。

 

4.目の前でタック

相手の目の前や、目の前より少し下でタック。

 

メリット:

・ブランケで返すわけではないので相手も走れ、逆海面に逃がさずに走れる(タックして逃げる可能性はあるが、タイトカバーよりは返されない)

・リーバウと違って、相手がタックしなくても、いつでも返せる

 

デメリット:

・タックミスからのプロテストのリスク(距離による)

 

これも結構無難です。

 

ぎりぎりで返さない限り、プロテストもんになる可能性も低く、また、リーバウほど自艇の選択肢を失う危険もなく、無難に抑えることができます。

 

ヘダーが入れば無難に伸びれるので、次ヘダーっぽいぞといういう時に、ルーズカバーの代わりに使うと、伸びつつ抑えれるんじゃないでしょうか。

 

 

5.下受け

相手の下側でタック。

 

メリット:

・次のヘダーで伸びれる

・いま入ってるリフトが抜けたときに伸びれる

・ディップせずにすむ

 

デメリット:

・リフトしたら伸びられる

・高いレーンが伸びる海面では使えない

 

下受けのリスクとリターンの大きさは、相手に対してどれくらいの距離を開けて返すかで決まります。

 

6.近くで下受け

相手に対して近くで返せば、大きなヘダーがきたらポテンシャルを逆転できるかもしれませんが、小さなヘダーでは無理です。

 

海風なんかは、がっつりしたヘダーは来ません。

じわじわとヘダーが来ます。

とういことは、相手の近くで返しても、ぜんぜんゲインできないです。

相手は余裕でついてきます。

むしろ、上からレーンが高くなっていくことが多いのでゲインされます。

 

ということで、海風で小さな下受けは大したリターンを期待できません。

 

逆に振れ海面なら、一発のブローで、一瞬で前に出れます。

相手の近くにいながら、ゲインできる可能性があり、しかも振れていてブロー性なので、復活できるタイミングは多いです。

 

振れ海面で相手の近くで下受けするのは、ローリスクハイリターンと言えるでしょう。

 

7.大きな下受け

一方、相手と大きく距離を開けて下受けしたら場合はどうでしょうか。

 

海風の場合、ヘダーは徐々に来るので、一発でゲインはできませんが、距離が空いていたら、数度のヘダーでも十分なゲインをゲットできます。

 

上のレーンが高くなって、分離される可能性はありますが、残りのレグが長い時など、まだ振れる可能性が大きいなら、十分使える選択肢だと思います。

 

振れ海面ではどうでしょうか。

 

相手との距離が空いているので、ブローでヘダーしたら圧倒的なゲインを得れます。

 

もちろん、リフトのブローが入れば、振りかえったら絶望の景色が広がっているでしょう。

 

要はハイリスクハイリターンです。

 

振れ海面の記事にも書きましたが、振れ海面はミスしたやつから落ちていきます。

 

ハイリスクなコース取りはなるべくしない方が良いでしょう。

 

相手に寄せて下で受けるほうが無難なのではないでしょうか。

 

 

以上、簡単でしたが、タックについてまとめてみました。

いろいろ試して、コンディションに応じて使い分けれると面白いです。