SniPo

もと京大スナイプリーダーが技術・チーム作りを発信

リーダーとは何なのか②

 

 

リーダーについて、前回の続きを書いていきます。

 

 

 

6.可能性を信じる

気づいたら可能性を自分で閉ざしている

僕たちは、知らず知らずのうちに、社会が当たり前とする規範に囚われて生きているように感じます。

例えば、受験の時に今の成績だったら国立は無理だから、ちょっと偏差値下げて私立にしようかな、とか。自分がこれをやりたいからとか、この大学に行きたいから、という理由じゃなくて、ただなんとなく、無理な風潮があるからあきらめようかなといった選択をすることが多いと思います。

僕らがインカレ優勝という目標を掲げたときも、いろんな人から無理だよと言われました。もっと現実みろよ、てね。周りを見渡したら、そんなことだらけやと思います。気づいたら、これは自分には無理かなって言って自分の可能性を自分で潰してしまっているようなことばかりです。それはヨットでもそうで、俺らほんとに優勝できるんかな?とか、このチームで勝てるのかな?とか、思うことだらけです。

 

みんなを信じる

チームとして、そういった状態に陥ることは多いと思います。そんな時リーダーはどうしたら良いのでしょうか?思うに、リーダーはみんなのことを信じないといけません。自分で自分の可能性を諦めてしまっているメンバーの可能性を信じること。お前らならできるんやでって本気で思うこと。

 

チームが目標とするような大きな夢を叶えようと思ったら、一人の力だけでは絶対に無理です。みんなの力が必要です。みんなを信じることが必要です。彼ら以上に、彼らの可能性を信じることが必要です。誰に何を言われようと、自チームのメンバーの可能性を信じること。これはリーダーにとって本当に大切なことだと思います。

 

リーダーとは何なのか①でも書きましたが、信じることもまた、リーダーだけの仕事ではありません。リーダーと同等以上にみんなのことを信じているメンバーがいることは、そのチームにとって大きな財産です。そのメンバーからリーダーが支えられることもあります。そうなるためにも、まずリーダーがみんなのことを信じる必要があります。

 

自分を信じる

みんなを信じるという決断をしても、なかなかうまくいかないこともあると思います。僕自身、ほんとにこのメンバーで勝てるのかな?と何度も思ってしまいました。それでも、みんなを信じないと目標は達成できないわけです。

 

みんなを信じるという決断をした自分を信じるしかないです。みんなを信じることが正しい選択なんだと思い、その選択をした自分を信じるしかないです。自分の可能性すら信じることのできない人が、他人の可能性なんて信じられるわけがありません。自分の可能性を信じることのできない人に、ついていこうなんて誰も思いません。

 

部活の引退ブログに信じることについて書きましたので、ご一読ください。本気で信じた時にしか見えない景色があります。

 

m.facebook.com

 

チームを信じる

みんなを信じ、自分を信じることができれば、そのメンバーからなるチームというものを信じれるようになると思います。このチームならいける、そう思えるはずです。

 

そして、メンバーがひとりひとり自分の可能性を信じられるようになれば、そこから高じて、チームの可能性を信じられるようになるはずです。みんながこのチーム強いぞ、俺らならできる、可能性あるぞ、って思えたときの底力は半端ないです。そうなるためにも、リーダーがまずチームの可能性を心の底から信じる必要があります。それがリーダーの仕事です。

 

7.向き合う

この向き合う相手は、自分であり、同期であり、後輩であり、先輩です。

 

部活をしていたらいろんな壁にぶち当たります。その時に、その問題にしっかり正面から向き合うことが大事です。そこで適当に済ませてしまったら、その問題は後で大きくなって帰ってきたりします。

 

その場しのぎで一見すぐに改善するような策を講じても、本質的には改善していないために、その問題が再発してしまうようなこともあります。僕らの例でいえば、ペア関係が悪くなった時にそういったことがありました。現状良くないペアに一瞬で見切りをつけ、そのペアを解散し新しいペアを作るか、それとも何が問題なのかにしっかりと向き合ったうえで、その時はすぐに改善しないかもしれないけど、ペア関係をやり直してみる、という選択をするか。

前者を選んだ時には、その問題は再発し、後者を選んだ時には、そのペアは良い関係性を作っていきました。時には、見切りをつけて現状を打開した方がいい場面もありますが、長い目でメンバーの将来的な成長を考えるのであれば、しっかり問題の本質に向き合った方が良いと、個人的には思います。

 

 

逃げたくなるような場面に出くわした時、目の前にあるのは、たぶん楽で魅力的に見えるその場しのぎの選択肢でしょう。それに飛びつくか、それとも一見そこにはないけど、ちゃんとその問題の当事者と向き合った時に見えてくる本質を選ぶか。そこが、リーダーの腕の見せ所な気がします。

 

f:id:nagaKUshox:20200126001110j:image

 

8.細かいことに気づく

とてもアバウトですね笑

 

部員はみんなの見えないところで、チームのために良いことをたくさんしてくれています。それにまず気づけるか。そのうえで、それをチームにシェアできるか。それって、リーダーにとってすごい大事なことだと思います。僕は、これが本当に苦手でした。

 

例えば、雨の前の日にベーラーが閉まったままの船に気づいてベーラーを開けてくれた後輩に気づいてそれをみんなに共有できるか。ベーラーを開けるのは、気づいたらやるのが当たり前のことですが、それをちゃんと言葉にして、みんなにも伝えるのが重要です。そうすることで、その後輩は自分が見られていることを実感しますし、当たり前のことをやることでチームのためになっているということも感じることができます。さらに、それを聞いた他のメンバーもリーダーはちゃんと自分たちを見てくれているんやなと思います。自分も頑張ろうと思ってくれる人もいるかもしれません。そして何より、チームの雰囲気が明るくなり、前向きになります。

 

今のはただの一例ですが、これに限らず、良かったことをシェアしてチームのムードを上げることがとても大切です。そして、これをみんながやるようになるとチームの力というかコネクションは強くなると思います。お互いがお互いのことをちゃんと認め、それを言葉にできるようになれば、みんなの心が自然とチームに向いていきます。それが、チームの求心力なんじゃないかなと思います。

 

 

9.決断する

リーダーの重要な仕事として、決断するということは外せません。

大学や体制によっても、リーダーがどの程度のレベルまで決断するかは違うと思いますが、決断することに変わりはないでしょう。決断方法としては、一人で決まる場合と、みんなで相談して決める場合があって、その間に少人数(例えば幹部のみで決めたり、先輩に相談して決める)での決断があると思います。人数が多くなるほど時間がかかり、一人なら一瞬で決断を下せます。それぞれに長所・短所があります。

 

一般的には、多数決で決めた方が、チームの総意を反映できそうに思われます。しかし、メンバーの多数が納得して決断した結果が、必ずしもチームの向かうべき方向性とマッチしているとは限りません。みんなで決めるべき問題というものはありますが、なんでもかんでも多数決したら良いということではありません。

 

一方で、一人で決める場合は独裁色が強いように感じるかもしれません。しかし、一人で決める場合は、その決断に時間がかからず、素早い反応をすることができます。その瞬間に結論を出さなくてはいけない場面や決断が早ければ早いほど良いこともあります。その時に多数決なんてしている暇はありません。そういった場合は、その場でしっかり結論を出し、チームにはあとで説明すれば良いです。

 

個別にOBさんに相談してから決断するのも良いでしょう。少人数で話せば、その分ディープな会話ができ、決断する材料も増えます。人によって得意な分野もあるので、これで迷ったらこの人というような相談の仕方もできます。

 

決断すべき問題の大小に応じて、どれくらいの規模で決断すれば良いかを決めるのがリーダーの仕事です。どんな決め方をしても、その決断がきっと正解だったんだなと思えるように、突っ走ったら良いです。

 

この決断方法については、この本がとてもためになりました。

 

THE TEAM 5つの法則 (NewsPicks Book)

THE TEAM 5つの法則 (NewsPicks Book)

  • 作者:麻野 耕司
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2019/04/03
  • メディア: 単行本
 

 

 

10.先頭に立って誰よりも動く

最後に。

今までリーダーがすべきことをいろいろと書いてきました。

リーダーとは何なのか①の最後でも書きましたが、ほとんどの事柄がリーダーだけでなく、ほかのチームメンバーにも当てはまることです。

要するに、全員がリーダーシップ持てよって話です。

 

そうするためにリーダーがすべきことは、誰よりも率先してそのリーダーシップを発揮することです。先頭に立ち、やるべきことを誰よりもしっかりと行動に移していくことです。みんなに言う以上に、まず自分がやることです。

 

リーダーがすべきことは、この記事に挙げた以外にもたくさんあると思います。

その一つ一つをチームの誰よりも高い次元でやること。

別に完璧じゃなくたっていいです。

それでも、行動に移し、その意志を見せること。

 

リーダーとついていくだけのフォロワーの二つに分かれてしまっては元も子もない気もします。

でも、チームが向かっていく大きな矢印の中で、誰よりも大きな矢印をもったリーダーがチームの矢印の中にいてくれたら、そのチームは強いんじゃないかなと思います。

 

まとめ

1つ前のとこでほとんど言いたいことは言い尽くしてしまいましたが、、

 

ここで書いたことっていうのは、ただの僕の経験に基づいた話であり、僕が読んだ本や聞いた話に基づいているものです。

 

場所や時代が変われば、人も変わり、求められるリーダー像も変わるでしょう。

もちろん、チームという単位が変わってもそれは同じです。

 

自分の中での理想のリーダー像というものをアップデートすべく、いろんな情報にアクセスし、いろんな人に会ったら良いと思います。そして、その理想に少しでも近づけることを願っています。