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もと京大スナイプリーダーが技術・チーム作りを発信

選手をいかに評価するのか?

昨日、一昨日と久しぶりに記事を更新しました。

いろんなアプローチを試してなんとかこの逆境を乗り越えてほしいと思います。

 

この記事では、前の二つの記事と関連して、いかに選手を評価するのか、すなわちどの選手に重きを置いた練習をするのか?や、本番でどの選手を起用するのか?といったことはどう決めれるのかという話をします。

主にチームリーダーに向けての記事になります。

 

 

今の実力を評価するのは難しい

はっきり言って、今の選手の実力を正確に把握するのはとても難しいです。

特にヨットの場合、そこまで速くない選手が前を走ったりするからなおさらです。

 

強風のスピードはあるけど、微風のランは遅いとか、いろんな要素に分解して、評価することもできますが、分解して分析した要素を足し合わせたものがそのままその選手の実力になるとは限りません。

 

まして、強風のクローズが速いというのも、どれほど正確な分析かどうか。

その日によって微妙に異なるコンディションで毎回同じように走れるとは限りませんし、本番になればまたわからない。

 

まずは、実力を正確に把握するのは難しいという前提で考えるのが良いと思います。

 

伸びしろを評価するのはさらに難しい

現時点での実力を把握するのが難しいのと同様、もしくはそれ以上に、これから先どのように成長していくのかを予測するのは、難しいです。今にも退部しそうな部員がうまくなったり、気合入ってるように見えて全然芽が出ないやつがいたり。予測するのは本当に難しい。

 

伸びしろは、その人のマインドセットによるところが大きく、外からはなかなか見えません。

 

そこをいかに判断するのかによって、リーダーの選択が決まります。

 

どの選手にどれくらいのチャンスを与えるのか。

いつまで、その選手の伸びしろにかけて、チャンスを与えるのか。

どこまで丁寧に面倒を見、どこから自主的な成長に任せるのか。

 

見えないマインドセットとポテンシャルを正確に把握できるかどうかが大事です。

 

そして、そのポテンシャルやマインドは、リーダーやほかの部員の影響を受けるということを忘れてはいけません。

外部からの影響が良い方向に働いて伸びるタイプの選手もいます。

選手単体のマインドセットとポテンシャル、さらに自分含む外部からの影響を考慮した上で伸びしろを考えると良いでしょう。

 

 

客観的な視点を取り入れる大事さ

リーダーも人間なので、好みがあります。

完全に客観的な判断を下せればよいのですが、なかなか上手くいきません。気づかないうちに、一定の選手の肩を持っているなんてことは避けたいです。

 

そこで、大事になってくるのが客観的な視点を取り入れることです。

 

例えば、コーチや監督が練習を見に来てくれている場合に、彼らはどう選手を見ているのかを聞いてみる。

そうすると、彼らの目には、自分とは違った風に映っている場合がある。

僕の場合は、一つ上のコーチが三人いてくれたので、いろいろな角度からの意見を聞くことができ、その都度いろんな発見をすることができました。

 

また、数字を使うというのも一つの手だと思います。

練習でのレース練習から大会まで、すべてのレースを記録して分析すると、思いもよらない傾向が見えたりします(どう客観的に分析するか思いつかなければ聞いてください)。

特に、チームの中で安定感があると思われていたペアが以外とそうでもなかったり、、、

そういうことを、数字という圧倒的に客観的なデータとして可視化することができます。

 

自分の主観的な勘に頼りきらないためにも、この視点は大事になるでしょう。

 

 

全体として評価する

上で、数字などで客観的に表すことも大事だと言いました。

それと同時に、数字では表しきれない力があるのも事実です。

 

 

本番に強いやつ弱いやつ、インカレだけ強いやつ、全く規則性が読めないけどムラがあるやつ、同じ大会の中でも走ったり走らなかったりするやつ。

 

いろんな選手がいます。

数字が表せるのはその一部だけで、その日の選手のコンディションの全ては表せません。

 

それを、いかに正確に判断し、適切な采配をするのか。

そこにリーダーの、リーダーらしさというか、チームカラーが出ると思います。

 

インカレ前には、日常的な言動、例えばほかの部員と話しているときの様子や、一人でいるときの様子に、各々の緊張や焦りや自信が見え隠れします。

 

数字もそうだし、コーチに聞くのも大事ですが、こうした日々の選手の行動をどれだけ見れているか。

これが、本当に大事です。

 

ずっと見ていると、選手ごとの癖というのが何となくわかってくるような気もします。

だからといって、言葉にできるもんでもないのですが、それが全体的に見るということです。

上にも書きましたが、要素に分解してまたそれをくっつけても元の姿にはなりません。

 

「豆腐が嫌いなのは、食感が嫌いだからです」という人がいたとして、それでもゴマ豆腐は好きだったとしましょう。ほとんど食感は同じであるにも関わらずです。食感という要素は、豆腐の全てを表しておらず、どれだけ要素を増やしたとても、豆腐まるまるを表すことはできません。

 

それと同じことが選手にも言えるのです。

何となく今回はこいつが走りそう。

その直感を大切にしたら良いと思います。

主観的になりすぎないように、数字やほかの人の意見を参考にしつつも、毎回の練習で自分の目で見てきて作ってきたそれぞれの選手の選手像にどれだけ自信を持てるか。

そこがくそ大事やと思いますし、逆を言えば、普段からどれだけいろんな角度で選手を観察できているか?が大事になるということです。

 

まとめ

結論としては、選手の能力を選手が評価するというのは非常に難しく、だからこそ日々の練習から、いろんな角度で選手を観察している必要があるということでした。

 

主観的になりすぎないように。

でもそれと同時に、

数字からはみ出る能力も存在しているということを自覚すること。

 

このバランスと、それを継続した自信が良い采配につながるのではないかと思います。

 

 いつも通り僕の主観を書いてしまいました。

この分野については、まだ本なども読んだことがないので、新しい視点があればまた共有させていただきます。