この記事は、タックで意識すること、というか僕が意識していたことについて、書いていきます。
ヨットに乗りたての新入生や、動画を詳しく分析したいセーラーのお役に立てればと思います。
参考程度に、たたき台として、僕の動画を載せておきます。
これが、良い悪いとかではなくて、それぞれ気を付けるポイントがどうなってるか?とか考えたり、ここはこうした方がええんちゃう?とか、ミーティングの材料にしてくれたら嬉しいです。
- ティラーを切る(ラフ)速度は適切か?
- ラフでメインを引いてきたか?
- ラフのヒールは適切か?
- アンヒールを入れるタイミングは適切か?
- アンヒールの量は適切か?
- 逆ジブの量は適切か?
- メインを出したか?
- メインを出す量は適切か?
- メインを引くタイミングは適切か?
- ジブの張替えでシバーしてないか?
- 起こし方は適切か?
- 起こしすぎてないか?
- タック後のメインは適切か?
- ティラーを戻すタイミングは適切か?
- 起こすときのティラーは適切か?
- まとめ
ティラーを切る(ラフ)速度は適切か?
ラフするときのティラーを切る速度は大事です。
速すぎると、船の回転とティラーの動きがマッチせずに失速してしまいます。
ヘルムに合っていないと、ラダーが抵抗になってしまうんですね。
ウェザーヘルムに任せて、ティラーを押すというよりも、ティラーを離すというような意識でやると良いかなと思います。
ラフでメインを引いてきたか?
船が上れば、それに合わせてセールを引いてきた方が良いのは当然です。
ラフと同時にメインをしっかり引きましょう。
(この記事は、軽風でのロールタックについて書いていますが、オーバーでもメインを引いてくるってのは大事になってきます)
ラフのヒールは適切か?
ラフするときに、ティラーはヘルムに任せると言いましたが、そのためにはウェザーヘルムが必要です。
そのためには、ヒールをつける必要があります。
ただ、スナイプの場合、クローズ中も弱いウェザーを残して走っていることが多いので、そこまで大きなヒールを入れる必要はないでしょう。
アンヒールを入れるタイミングは適切か?
風が弱い場合、風上側にロールを入れて、船が回るのを助けてあげると、船の回転が速くなり、よりスピーディーに次のタック(例えば、ポートからスターボ)になることができます。
では、どのタイミングでアンヒールを入れて、ロールを作ったらいいのか?
詳しくは動画を見てほしんですが、
遅すぎると、もう船は回っていて、回転の助けになりませんし、タック後に風が入りオーバーヒールしてしまいます。
逆に早すぎると、ラフしているのにウェザーが消えてしまい失速してしまいます。
船の回転の助けになるような、適切なタイミングを見つけましょう。
アンヒールの量は適切か?
アンヒールの量と書きましたが、まあロールの量ですね。
これは、好みによっても違いますが、基本的には、最小限のロールでよいです。
最小限というのは、タック後にタック前のスピードに戻るために必要な最小限の、という意味です。
例えば、フラットな海面なら、ほんの少しのロールをつけて起こしてあげるだけで、スピードは回復します。
でも、波のある海面だと、あまりにロールが少なすぎると、波に叩かれて失速してしまうこともあるでしょう。
その場合は、少しロールの量を増やしてあげたら良いです。
じゃあ、何でもかんでもたくさんロールをつけたらいいかってことでもなくて、
必要以上にロールをつけると、その分、風に押されて下に流されてしまいます。
最小限のロールでタックした船と比べると、風上へ向かう効率が下がってしまいますね。
海面に応じて、ピンとくるロール量を探してみて下さい。
逆ジブの量は適切か?
逆ジブの量の話です。
人によって逆ジブはゼロでいいという人もいるみたいですが、個人的には、必要やと思ってるので、その前提で話します。
逆ジブを入れると、船の回転が助けられます。
なので、風が弱かったり、タック前に失速してたり(そもそも失速してる状態ではタックしない方がいいが)、波があったり、、
っていう場合に、逆ジブを長くしてあげると、船の回転が助けられて、失速を抑えることができます。
もちろん、この逆ジブも最小限でよいです。
長すぎると、船が回りすぎる原因にもなります。
強風やったら沈することもあるでしょう。
メインを出したか?
船が風上を向き新しいタックになった時、少なからず、船は減速しています。
なので、みかけの風は、引き込んできたメインに対して、後ろに回った状態(メイン引きすぎの状態)になっています。
ということは、メインを一回出して、風に合わせてあげる必要があります。
メインを出す量は適切か?
ではどれくらいメインを出したらいいのか?
メインを出す理由がわかっていれば、当たり前かもしれませんが、
どれくらい失速してるか?
風の強さはどれくらいか?
によって出す量が変わりますかね。
失速が大きければ、その分ちょっとだけ多く出したらいいということです。
また、無風時はたくさん出す(ガンネルアウトするくらいまで)と良いです。
フラットのオンデッキタックで、ブーム1~2本くらい出すイメージで僕はやってました。
↓参考までに下デッキタックの動画↓
メインを引くタイミングは適切か?
今度は、出したメインを引いてきます。
スピードが回復してきたら、今度は風が前に回るので、メインが緩くなりすぎてしまうからです。
では、どのタイミングで引いたらいいのでしょうか。
スピードが回復するタイミングですね。
スピードは、起こすときに回復するので、起こしながら引いてきたら良いでしょう。
同時に引くことで、セールであおることにもなって一石二鳥でしょう。
ジブの張替えでシバーしてないか?
逆ジブを切ったあと、新しいタックの下側のジブシートを引き、ジブを張り替えますが、
このとき、ジブは素早く引いてきましょう。
ここがゆっくりだと、ジブがシバーしてしまい、失速してしまいます。
当たり前っちゃ当たり前ですね。
ジブが入れば、メインにも風が流れるので、ジブをなるべくシバーさせずに張り替えるのはとても大事です。
起こし方は適切か?
起こし方もスピードの回復にとって大事です。
どたどた動いて船を揺らしてしまうと、船は失速してしまいます。
風上に船を揺らさないように移動して、丁寧に起こしてあげる良いと思います(僕は結構激しめかもしれないです、、、笑)
起こしすぎてないか?
起こすには起こしたけど、起こしすぎ、または、起こさなすぎになっていないかを意識しましょう。
特に、タックで起こしすぎると、大きく失速します。
クルーとスキッパーで息を合わせて、フラットもしくは微ヒールまで起こすということを徹底すると良いと思います。
タック後のメインは適切か?
ロールを起こしながら、メインを引いてきたときの、メインが適切かどうかはとても大事です。
新しいタックでのクローズにできるだけ早くなることが大切なので。
タックしたら必ずメインを確認して、クローズを走るのに適切なメインになっているかを確認しましょう(慣れてきたら、見なくても大体合うようにあるけど、見る方が無難)
ティラーを戻すタイミングは適切か?
ティラーを戻すタイミングが早すぎると、船は回ってなさ過ぎで減速してしまいます。
遅すぎると、回りすぎで、角度をロスしてしまいます。
適切なタイミングで舵を戻す必要があります。
風が弱かったり、波が悪いときほど、大きく回すと良いでしょう。
起こすときのティラーは適切か?
船を起こすときにのティラーの角度(押してるか、まっすぐか、引いてるか)の話です。
起こすときは、船はヒールしているので、ウェザーヘルムです。
なので、舵もそれに合わせないと、減速する原因になってしまいます。
基本的には、まっすぐちょい押しくらいで良いでしょう。
まとめ
ここまで書いてみると、たくさんあるように感じるかもしれません。
ある程度乗りなれている人にとっては、当たり前のことも多いかもしれませんが、
たまには基本に立ち返るのも大事です。
そのきっかけになってくれてたらうれしいです。
新入生とか、ヨットに乗り始めた人とかにとっては、多すぎやって感じかもしれないけど、ひとつひとつ課題を埋めて上達してほしいなと思ってます。
(ぐだぐだ書いたけど、1~2か月あれば、ある程度できるようになるんで、動作練なんてやらないでほかの練習した方がいいです笑)