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<ヨットの基本>タックで意識すること(軽風)

この記事は、タックで意識すること、というか僕が意識していたことについて、書いていきます。

 

ヨットに乗りたての新入生や、動画を詳しく分析したいセーラーのお役に立てればと思います。

 

参考程度に、たたき台として、僕の動画を載せておきます。

 

これが、良い悪いとかではなくて、それぞれ気を付けるポイントがどうなってるか?とか考えたり、ここはこうした方がええんちゃう?とか、ミーティングの材料にしてくれたら嬉しいです。

 

www.youtube.com

 

 

 

ティラーを切る(ラフ)速度は適切か?

ラフするときのティラーを切る速度は大事です。

速すぎると、船の回転とティラーの動きがマッチせずに失速してしまいます。

ヘルムに合っていないと、ラダーが抵抗になってしまうんですね。

 

ウェザーヘルムに任せて、ティラーを押すというよりも、ティラーを離すというような意識でやると良いかなと思います。

 

ラフでメインを引いてきたか?

船が上れば、それに合わせてセールを引いてきた方が良いのは当然です。

ラフと同時にメインをしっかり引きましょう。

 

(この記事は、軽風でのロールタックについて書いていますが、オーバーでもメインを引いてくるってのは大事になってきます)

 

ラフのヒールは適切か?

ラフするときに、ティラーはヘルムに任せると言いましたが、そのためにはウェザーヘルムが必要です。

 

そのためには、ヒールをつける必要があります。

ただ、スナイプの場合、クローズ中も弱いウェザーを残して走っていることが多いので、そこまで大きなヒールを入れる必要はないでしょう。

 

アンヒールを入れるタイミングは適切か?

風が弱い場合、風上側にロールを入れて、船が回るのを助けてあげると、船の回転が速くなり、よりスピーディーに次のタック(例えば、ポートからスターボ)になることができます。

 

では、どのタイミングでアンヒールを入れて、ロールを作ったらいいのか?

詳しくは動画を見てほしんですが、

 

遅すぎると、もう船は回っていて、回転の助けになりませんし、タック後に風が入りオーバーヒールしてしまいます。

逆に早すぎると、ラフしているのにウェザーが消えてしまい失速してしまいます。

 

船の回転の助けになるような、適切なタイミングを見つけましょう。

 

アンヒールの量は適切か?

アンヒールの量と書きましたが、まあロールの量ですね。

これは、好みによっても違いますが、基本的には、最小限のロールでよいです。

 

最小限というのは、タック後にタック前のスピードに戻るために必要な最小限の、という意味です。

 

例えば、フラットな海面なら、ほんの少しのロールをつけて起こしてあげるだけで、スピードは回復します。

 

でも、波のある海面だと、あまりにロールが少なすぎると、波に叩かれて失速してしまうこともあるでしょう。

その場合は、少しロールの量を増やしてあげたら良いです。

 

じゃあ、何でもかんでもたくさんロールをつけたらいいかってことでもなくて、

 

必要以上にロールをつけると、その分、風に押されて下に流されてしまいます。

最小限のロールでタックした船と比べると、風上へ向かう効率が下がってしまいますね。

 

海面に応じて、ピンとくるロール量を探してみて下さい。

 

逆ジブの量は適切か?

逆ジブの量の話です。

人によって逆ジブはゼロでいいという人もいるみたいですが、個人的には、必要やと思ってるので、その前提で話します。

 

逆ジブを入れると、船の回転が助けられます。

 

なので、風が弱かったり、タック前に失速してたり(そもそも失速してる状態ではタックしない方がいいが)、波があったり、、

 

っていう場合に、逆ジブを長くしてあげると、船の回転が助けられて、失速を抑えることができます。

 

もちろん、この逆ジブも最小限でよいです。

 

長すぎると、船が回りすぎる原因にもなります。

強風やったら沈することもあるでしょう。

 

メインを出したか?

船が風上を向き新しいタックになった時、少なからず、船は減速しています。

 

なので、みかけの風は、引き込んできたメインに対して、後ろに回った状態(メイン引きすぎの状態)になっています。

 

ということは、メインを一回出して、風に合わせてあげる必要があります。

 

メインを出す量は適切か?

ではどれくらいメインを出したらいいのか?

 

メインを出す理由がわかっていれば、当たり前かもしれませんが、

 

どれくらい失速してるか?

風の強さはどれくらいか?

 

によって出す量が変わりますかね。

 

失速が大きければ、その分ちょっとだけ多く出したらいいということです。

また、無風時はたくさん出す(ガンネルアウトするくらいまで)と良いです。

 

フラットのオンデッキタックで、ブーム1~2本くらい出すイメージで僕はやってました。

 

↓参考までに下デッキタックの動画↓

 

www.youtube.com

 

メインを引くタイミングは適切か?

今度は、出したメインを引いてきます。

スピードが回復してきたら、今度は風が前に回るので、メインが緩くなりすぎてしまうからです。

 

では、どのタイミングで引いたらいいのでしょうか。

スピードが回復するタイミングですね。

 

スピードは、起こすときに回復するので、起こしながら引いてきたら良いでしょう。

同時に引くことで、セールであおることにもなって一石二鳥でしょう。

 

ジブの張替えでシバーしてないか?

逆ジブを切ったあと、新しいタックの下側のジブシートを引き、ジブを張り替えますが、

このとき、ジブは素早く引いてきましょう。

 

ここがゆっくりだと、ジブがシバーしてしまい、失速してしまいます。

当たり前っちゃ当たり前ですね。

ジブが入れば、メインにも風が流れるので、ジブをなるべくシバーさせずに張り替えるのはとても大事です。

 

起こし方は適切か?

起こし方もスピードの回復にとって大事です。

 

どたどた動いて船を揺らしてしまうと、船は失速してしまいます。

 

風上に船を揺らさないように移動して、丁寧に起こしてあげる良いと思います(僕は結構激しめかもしれないです、、、笑)

 

起こしすぎてないか?

起こすには起こしたけど、起こしすぎ、または、起こさなすぎになっていないかを意識しましょう。

特に、タックで起こしすぎると、大きく失速します。

 

クルーとスキッパーで息を合わせて、フラットもしくは微ヒールまで起こすということを徹底すると良いと思います。

 

タック後のメインは適切か?

ロールを起こしながら、メインを引いてきたときの、メインが適切かどうかはとても大事です。

新しいタックでのクローズにできるだけ早くなることが大切なので。

 

タックしたら必ずメインを確認して、クローズを走るのに適切なメインになっているかを確認しましょう(慣れてきたら、見なくても大体合うようにあるけど、見る方が無難)

 

ティラーを戻すタイミングは適切か?

ティラーを戻すタイミングが早すぎると、船は回ってなさ過ぎで減速してしまいます。

遅すぎると、回りすぎで、角度をロスしてしまいます。

 

適切なタイミングで舵を戻す必要があります。

 

風が弱かったり、波が悪いときほど、大きく回すと良いでしょう。

 

起こすときのティラーは適切か?

船を起こすときにのティラーの角度(押してるか、まっすぐか、引いてるか)の話です。

 

起こすときは、船はヒールしているので、ウェザーヘルムです。

なので、舵もそれに合わせないと、減速する原因になってしまいます。

 

基本的には、まっすぐちょい押しくらいで良いでしょう。

 

まとめ

ここまで書いてみると、たくさんあるように感じるかもしれません。

 

ある程度乗りなれている人にとっては、当たり前のことも多いかもしれませんが、

たまには基本に立ち返るのも大事です。

そのきっかけになってくれてたらうれしいです。

 

新入生とか、ヨットに乗り始めた人とかにとっては、多すぎやって感じかもしれないけど、ひとつひとつ課題を埋めて上達してほしいなと思ってます。

 

(ぐだぐだ書いたけど、1~2か月あれば、ある程度できるようになるんで、動作練なんてやらないでほかの練習した方がいいです笑)