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コースの引き方③海風

今回は海風について考えてみます。

 

ここでいう海風とは、

 

江の島・葉山の南風

西宮の南風

琵琶湖の北風

 

などの開けた方から入ってくる、比較的安定した風を指しています。

 

では、海風でどういうコースを引いたらよいのか考えてみます。

 

 

 

特徴

まず、海風の特徴を挙げてみましょう。

 

・風軸が安定している

・風軸が振動するにしても、その変化は大きくない

・ブローの強弱は小さい

・ブローは大きいことが多い

・上にいる船が下の船と分離して伸びることが多い

 

といったところでしょうか。

 

開けたとこから入ってくるので、安定しているのが特徴です。

 

では、この海面では何が重要になってくるのか。

それを考えます。

 

1.フレッシュ

海風は振れません。

風の変化で伸びるのが難しいです。

ボートスピードが死ぬほど大事です。。。

 

なので、持っている艇速をマックス近く出したいわけです。

 

そんときに何が大事か。

 

フレッシュですね。

 

多少みんなより艇速が微妙でも、完全なフレッシュで走り続ければ、自ずと前に出ていきます。

 

フレッシュってのは、ブランケに入らないとかもそうだし、リーバウにならないってのも当たり前ですが、例えばライバル校を視界に入れないとかも大事なんじゃないかな、と思います。

 

学生レベルの帆走でありがちなのは、全然ホープレスじゃないのに下の船を気にしすぎるあまり下にずって、結果ホープレスになってまうみたいなこと。

 

ベストはどんな位置でも走れることなんだけど、なかなかそれが難しい。

特に、何かがかかったレースなんかは、ほんとに難しい。

インカレとかは、いらん感情が入って、マックスの艇速が出せてない人がとても多いです。

 

そんなときに、少しでもマックスに近いスピードを出せたら良いですね。

 

ちょっと話が脱線しましたが、とにかくフレッシュで走りましょう。

 

視界に誰も入らないようにポジショニングして走るのが、くそ大事です。

 

艇団から離れるのはリスキーとか言いますが、海風に限ってはそんなことないと思います。

大して振れないので、離れてもリスクは大きくないですし、むしろ一人で綺麗に走れるメリットが大きいことが多いように感じます。

 

なので、僕は基本的にはどっちかのサイドに大きく展開してました。

 

2.上のレーンで走る

海風はブローが大きな塊として入ってくることが多いです。

往々にして、遠くからは見えにくく、近くならないと、自信をもって見えません(見える人はまじでトップセーラー)。

 

ブローは大きくて、その中でかすかに、風向が変わっています。

ブローが放射状みたいな話は聞いたことがあると思うんですけど(僕はよくわかりません)、とにかく海風のブローは入ってしまえば、上が伸びます。

 

というか、上の船と下の船が分離して、上の船だけどんどん上っていくようなことがとても多いです。

 

なので、基本的には相手よりも上側に自艇を置くと無難です。伸びます。

 

ミクロなとこで下受けとかしても、あまり効果は期待できないです。

上のやつに分離されるのがおちです。

 

下受けするなら、おっきくすると、伸びることができます。

風軸の変化は小さく、ミクロでは上が伸びますが、艇と艇の距離が空いていれば、小さなヘダーでもしっかりゲインできるからです。

 

そこらへんを考えて、上で抑えるのか、大きく下受けするのか、なんかを選択すると無難に伸びることができます。

 

 

3.ロング

海風は風軸が大きくコロコロ変わるわけではありませんが、少しは変化します。

 

特に、風が弱かったり、時間の変わり目(例えば、夕方にかけて太陽が傾きかけてきたときなど)なんかは、風軸が変化することは多いです。

 

基本的にブローは遠くからは見にくいので、今のロングをしっかりと走って、次のシフトを取りに行くのが無難です。

 

たまに、片方からしかブローが入ってこず、そっちサイドにいないと勝てない的な場面がありますが、そういう時はたいてい圧倒的に濃いブローが見えるのでわかると思います。

 

とにかく、ロングを走って、振れないながらも、少しでも風の変化でゲインできると良いですね。

 

 

結論

ドフレッシュでロングを上のレーンで走る

 

以上です。

 

死ぬほど集中して、クルーも滑りに集中して、バウを出しましょう。