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コースの引き方②組み立て方

コースの引き方特集②ということで、1上までのコースの組み立て方を考えます。

 

最終学年、スキッパーに転向してから、僕らのペアは後ろから追い上げるのが苦手で、1上にすべてをかけてました笑

 

唯一の答えだとは全く思いませんが、今回紹介するプランニングをやるようになってから、1上は本当に安定するようになったので、参考にしてみてください。

 

 

 

左右どちらか決めて勝負

ヨットレースにおいて、片方の海面しか勝たないということはたまに起きます。

 

例えば、若洲では、川の影響で右しか伸びねええええ、みたいなレースがありました。

また、片方に振り切って、外れ海面は目も当てられない、なんてこともあります。

 

でも、レガッタを通じて見れば、そういったレースは稀ですし、ノーレースになることも多いです。

 

普通のレースなら、外れ海面でもトップ付近にいれば、1上を10番程度では回航できるはずです。

 

つまり、どちらかの海面でトップ付近になれば、順位はシングル付近で安定します。

 

途中まで見た目が悪くても、最後にブローが入って、結局左右で変わらんかったみたいなことは良く起きるので、僕らは片ブレでない限り、決めた海面で勝負をするようにしてました。

 

ということで、僕らは勝負するサイドを最初に決めていました(決められずにテキトーに出ることも多かった笑)。

 

左右どっちにいくか?

で、そのサイドはどうやって決めていたのか。

 

これは①で話した内容そのままです。

ブローがある方、つまり黒い方に行くか、振れそうな方へ行くか、です。

 

まあ、海面によって、重要な要素は変わってきますし、一概には言えないですが、例えば、次のようなことを考えて決めていました。

 

風軸が振動してるなら、

 ロングを走れるサイドに行く(スターボロングなら左に行く)=今の振れと逆サイドに行く(上スタなら左に行く)。

・ブローは見えないけど、海面調査的にブローの頻度が多い方へ行く。

・岸のベンドがある方へ行く。

・セパレートして伸びた方に行く。

 

などなどです。

 

スタート前に海面調査をしっかり行って情報を集め、左右を決めると外れが少ないです。

海面調査については、別の記事に書きます。

 

次に、戦うサイドを決めたあと、どこからスタートするかを見ていきます。

 

決めたサイドに伸ばせるようにスタート

左右を決めた後、スタートするポジションを決めます。

 

良くあるのが、上スタだから上から出て、下スタだから下から出よう、みたいなスタートです。

 

これは僕は間違っていると思います。

当てはまるときもありますが、当てはまらないことも多いです。

上スタの時に、1上トップが必ず上スタしたやつなのかをカウントしたらたぶんそんなことはないでしょう。

 

では、僕たちはどうやって、スタートする位置を決めていたのか。

勝負したいサイドに確実に伸ばせる位置から出る、ということをしていました。

なので、基本的には、左に伸ばすときは半分より下、右の時は半分より上で出ていました。

 

例えば、

左海面で戦うことを決めたときに、スタートは上スタで、もう少しだけ右からブローが来そうみたいなコンディションを想定してみましょう。

 

左に行きたいので、下から出たいですが、ファーストブローは右なので、下すぎると上に伸びられて、負けそうです。

右ブローを掴み、自分より下の船より高い状態で左にぶち込めるのがベストです。

ということで、僕なら、下集団の中でもっとも右寄り(右ブローが届く場所)で出ます。

 

ちなみにこれは全日本インカレ最終日の第一レースの話です。

1上は無事に2位で回航できました。

 

まとめると、

 

左右どっちで戦うか決め、そのサイドでスタート(左右どっちかのトップ集団に入る)

ヘダーでついていきにくいならエンド寄り、ついていけるなら真ん中寄りでスタート 

 

てな感じです。

 

ヘダーでついていけるかどうかは、

 

・上からのブローが入って下の船たちと分離するか
 ・シーブリーズで上のレーンが伸びるか
 ・ラルでのヘダーの影響がでかいか
 ・ブロー(下から)でのヘダーがきついか
 ・ベンドはあるか

 

なんかで決まるので、そこらへんを考慮して、出たいサイドの中でどこを選ぶかを決めたら良いでしょう。

 

さっきのインカレの例は、上からのブローで上下で艇団が分離してしまうパターンですね。

 

 

どこまで伸ばすか

左右を決めてスタートする場所を決めたら、次はどこまで伸ばすか(=どこでファーストタックするか)を決めます。

 

これについては、すごくシンプルに考えていて、

 

右海面ならフレッシュで伸ばせる位置でタック

左海面なら、自分のポテンシャルが高くなったらタック

 

です。

 

右海面についても、右に伸ばせたなら、ポテンシャルが高くなったときに、二回目のタックをします。

 

要は、最初に行きたい方へ出して、目的のブローなり、シフトなりが入ったらタックして、艇団に寄せるってことですね。

 

あとは、そっちのサイドでいい感じにトップ集団に入れれば、1上は安定します笑

 

いい感じの部分は③以降で話したいと思います。

 

結論

1上までのコース取りとしては、

 

左右どっちで戦うか決め、そのサイドでスタート(左右どっちかのトップ集団に入る)
・ヘダーでついていきにくいならエンド寄り、ついていけるなら真ん中寄りでスタート
・行きたい方向にぶち込んで、ポテンシャルが高くなったらタックする

 

を精度高くできれば安定すると思います。

 

俺はこうやってたで!みたいなことがあればぜひ教えて欲しいです。