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もと京大スナイプリーダーが技術・チーム作りを発信

スタート③加速

今回は加速について考えます。

①・②までの復習としては、

 

・ラフベアを繰り返して待つ

・周りよりも低く待つ

 

簡単にはこんな感じですね。

 

低く待つメリットをここから説明していきます。

ほんまに、まじで決まるので一回は試してみて欲しいです。

 

 

加速とは

まず、加速するとは、どういう状態からどういう状態になることなのか。

 

待っている時は、当然ながらセールはほぼシバーして、ほぼ止まっています。

加速後には、なる早でクローズのフルスピードになっていたいわけです。

 

この二つの状態の間に加速があります。

 

それでは、どのような加速をしたらこの橋渡しが上手くいくのか。

 

良いスタートとは

加速の話を掘り下げる前に、良いスタートとは何かを考えます。

 

僕の中では、良いスタートは、

「行きたい方向に完全にフレッシュな状態で伸ばせるスタート」

です。

 

完全にフレッシュというのは、周りの船よりもだいたい一艇身は高くて、視界に船がいない状態です。

 

ラインまで何艇身の状態で出たとかジャストで出れたとかはどうでもいいです。

スタート後に、周りより高いか低いか、それだけです。

ラインまで低くても周りよりもバウが出せれば、前を走れます。

 

ラインに対してどれくらいの位置で出れているのかも、ラインが極端に低い時などには大事ですが、それよりも、フルスピードでラインを切って死なずにバウを出せるかが大事です。

 

ということで、良い加速とは、スタート後にフルスピードになっていて死なないような加速です。

 

実際の加速方法

それでは、実際にはどういう加速を目指したらいいのか。

以下のポイントに気を付けます。

 

・下のフリーウォーターをなるべく使わない

・周りよりも風・水が流れた状態でスタートする

 

1つずつ見ていきます。

 

下のフリーウォーターを使わない

よく自分の下のフリーウォーターを加速するために使ってしまう人がいますが、それは得策ではありません。

 

大きくベアしてたくさん走ってから加速しても、出る艇速のマックスはたかがしれていますし、なによりも加速した後に下の船にくっついて死にやすいです。

 

フリーウォーターの基本的な考えとして、加速後に生き残る(下に殺されない)ために必要ということを覚えておくと良いかもしれません。

 

現在ナクラで五輪キャンペーンをされている川田さんのHPに詳しく書いてあり、大変ためになります。

 

では、下のルームを使わずにどうやって加速したら良いのか。

使わなかったら、フルスピードになかなかならんやんけって感じですね。

それを二つ目の項目が解決します。

 

そしてここに来て、低いウェイティング位置が火を噴きます。

 

周りよりも風・水が流れた状態でスタートする

まず風から。

 

一般的にみられる加速は、ジブを入れてすぐさまベアし、メインを入れてラフするというものです。

 

しかし、これだと、シバーしたセールに十分に風が流れる前にクローズになってしまい、加速はしてるけど微妙といった状態です。

風がしっかり流れるまでにラグがあります。

 

470はわかりませんがスナイプに限って言えば、ジブとメインを入れてから何もしなくても数秒は下に流れません。

少しずつ前には出ますが、飛び出すということはないです。

 

ということは、低く待って、みんなよりも先にジブとメインを入れれば、流れずに前進できます。

しかも、セールには風がちゃんと流れています。

 

この状態で、みんなが加速する瞬間に合わせて、自分もベアし、加速します。

相手に合わせるのでラインが見えなくても大丈夫です(見えたらラインに合わせて出る)。

 

同タイミングで加速を始めれば、風が流れている分、絶対にフルスピードになるまでが速いです。

 

もうぶち抜ける未来が見えましたね。

 

 

さらに、水つまり水流について。

これは四月のスナイプクリニックなら講習会で学んだことです。

 

スタートするときにセンターに水流が流れていることが大事らしいです。

水流がないとセンターに横から水が当たって流れるみたいな理論らしいです。

僕は難しすぎて理解不能です。

 

待っている時に、完全に止まってしまうと、ふわっと下にスライドするように流れる経験はしたことがあると思いますが、それに近いと思われます。

 

とにかく、センターに水の流れを作っておくと、下にずりません。

 

ここでも低く待って先に前進するメリットがあります。

みんなが、センターから水が剥離した状態でスタートする中、しっかりと水を掴んでスタートできれば、速そうですね。

 

要は、風と水を予め流しておくということによって、セール・センターに風・水が流れ、ベアする量が小さくても、すぐにフルスピードになれるということです。

 

実際にこのスタートをし始めてから実感しましたが、ほぼ上の船を上り殺せます。

セールが風を掴み、センターには水流ばんばん、フリーウォーターも全然使わない。

ということで、めちゃくちゃ強いです笑

 

成功すると下みたいになります。

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蒲郡全日本個人戦

30383が僕らですが、左右の船よりもバウを出せています。

これはゼネリコでしたが、運営には読まれないようなスタートになっていたと思います。

このスタートを始めてから、リコールしたことはないです。

 

まとめ

低く待って、セールに風、センターに水を流した状態で、周りの船に合わせて加速する

 

これだけです。

ラインが見えなくても加速できますし、低く待っていて、バウが出るのはスタート後なのでリコールも読まれません。

 

インカレなんかはみんなリコールを警戒してラインが低いことも多いのでそんなときは、見通しを使った方が良いですが、基本これで戦えました。

自分なりにアレンジして使ってみてください。

 

補足

加速後は周りより高くなるまで帆走に120%集中しましょう。

それまでは、クルーも帆走に集中した方が確実にバウを出せます。

コースはバウが出てからでも引けます。